『市民公開シンポジウム2023』の報告

はじめに

シンポジウムが終わり、早2ヶ月以上が経過した今、もう一度振り返りながら、この文章を書いています。
市民公開シンポジウム2021では糖尿病患者の“生きづらさ”に焦点を当て、パネリストとして医学、文化人類学、社会学、臨床心理学の専門家と当事者(1型、2型、単一遺伝子異常による遺伝性糖尿病)を迎えて、討論を行いました。「生活習慣病を死語にする会(略称SSB45)」という名称で活動を始めた私たちですが、第2回目のシンポジウムを開催するにあたり、私たちの活動の目標は「生活習慣病という呼称を死語にすることではなく、この呼称に象徴される社会的スティグマを解消することにある」と考えるようになりました。なぜなら「生活習慣病」という呼称を死語にするだけでは社会的スティグマはなくならないからです。そして今回のシンポジウムにおいて、私たちが注目したのが「自己責任」という言葉でした。生活習慣病という呼称の問題点や糖尿病や肥満に対する社会的偏見の問題を考えるとき、「自己責任」という社会的圧力に抗うために、私たちはどうしたら良いか議論することがひとつの突破口になるかもしれないと考えました。そこで今回のシンポジウムのテーマを「社会的スティグマのない社会をめざして〜『自己責任』という社会的圧力に抗う方法を考える」といたしました。

■プログラム

第1部:専門家パート・・・我が国における社会的スティグマの現況
 司会:杉本正毅(バイオ・サイコ・ソーシャル糖尿病研究所代表)
 ・社会心理学の立場から:大江朋子さん(帝京大学文学部心理学部)
 ・文化人類学の立場から(特にFat acceptance運動について)碇 陽子さん(明治大学政治経済学部)
 ・肥満診療の最前線の医師の立場から:齋木厚人さん(東邦大学医療センター佐倉病院)
 ・障害者文化研究者の立場から:荒井裕樹さん(二松学舎大学文学部)
第2部:当事者パート・・・当事者として社会に望むこと、社会に知って欲しいこと
 司会:東海林 渉さん(東北学院大学教養学部人間科学科臨床心理学)
 ・1型糖尿病当事者の立場から:酒井崇明さん
 ・2型糖尿病当事者の立場から:秋元健一さん
 ・1型当事者、病いの語りの専門家の立場から:香川由美さん(患者スピーカーバンク前理事長、東京大学大学院医学系研究科 医療コミュニケーション学分野特任研究員)
ランチョンセミナー 最前線レポート−StigmaとAdvocacyを考える−:欧州糖尿病学会参加レポート:国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 小谷紀子さん 
第3部:総合討論
 司会:鈴木智之さん(法政大学社会学部)

当日のプログラムの詳細は以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/1PdFMbSTusJru6MZYl4qbuNq3hDgtuVdq/view?usp=sharing


■各パネリストの発表内容

Opening Remarks(杉本正毅)

今回のシンポジウムを終えてあらためて強く思ったことは医療人類学の疾病/病い2分法に倣い、私たちが糖尿病という病気を「疾病」という観点だけから捉えるのではなく、疾病を抱えて生きる「人」として捉えていく視点をもつことの重要性でした。例えば、肥満関連スティグマについて考えてみます。もしも私たちが当事者を「患者」と捉えるのではなく、「人」として捉えることができれば、生物医学的視点を伝えるだけではなく、肥満を過度に医療化する現代社会に対する批判的な視点も合わせて伝えることができるのではないでしょうか。それによって、私たち医療専門職は当事者にもっと寄り添うことができる筈です。疾病をもって生きる人は常に「病人」として生きているわけではありません。ときどき病人、普段はひとりの「生活者」に過ぎません。疾病を抱えながら暮らす人間の全体像を理解しようとせず、単に「患者」という言葉で一括りにしてしまうことから社会的スティグマが生まれていることにあらためて気づきました。これからのアドボカシー活動において重要なことは、私たちがもっと「疾病と社会との関係」について配慮しながら、「病気」と「人」を分離して理解していく視点を医療専門職に啓蒙していくことではないかと感じています。

当日、使用したスライドは以下からご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/1IrNFECt8GlHx-qeXafFP_kX1cqYff-8J/view?usp=sharing

第1部:専門家パート

司会:杉本正毅(バイオ・サイコ・ソーシャル糖尿病研究所代表)

社会心理学の立場から(大江朋子さん)

このたび,医療や社会学の研究領域でご研究をなさっておられる皆様,糖尿病とそのスティグマと闘っておられる当事者の皆様,当事者への支援をなさっておられる皆様と交流する貴重な機会をいただきました。杉本先生はもちろんのこと,このような場を設けてくださった方々,ご登壇いただいた方々,ご参加くださった方々に,心より感謝申し上げます。
 杉本先生から登壇のお話しを受けたときには,糖尿病の人が,その病気の症状だけでなく,社会または他者とのやり取りのなかでスティグマに悩まされているという現状をわたしは認識していませんでした。一般の人(といってもごく一部の人ですが)が糖尿病をどのようにとらえているかを把握するために調査をしてみると,糖尿病の人の立場に立てば,刃になりかねない認識が多いことが実際にわかりました。また,シンポジウム当日には,糖尿病の治療,ファットアクセプタンス運動,学術界での動向,糖尿病になってしまった方々がどのような体験をしてきたかをリアルにお話しいただくことで,個人では容易に把握することのできない領域まで踏み込んで考えることができたことを,大変ありがたく感じました。
 多様な領域の方々がそれぞれの立場でお話しくださったことはそれぞれが魅力的でした。そこには一見矛盾するようなお立場やお考えもあったかもしれませんが,個々の人を大切にしようという思いはそれぞれに共通しているもので,その目標のもとに調和的なコミュニケーションが成立していたと思います。このような異分野の調和的なコミュニケーションを通じて,社会全体でスティグマに抗う道が整えられていくことを期待しています。

当日、使用したスライドは以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/1VenIJzOANY3BBbaaJCmbanTmdSQ5BM5J/view?usp=sharing

文化人類学の立場から(碇 陽子さん)

碇です。新学期が始まり、新しい学生たちが入ってきました。
シンポのスライドを添付しています。感想が遅くなりすみません。この1週間ぼんやりと考えていた感想も書いてみたいと思います。

まず、シンポジウムで、他分野の方々とお話をする機会を持てたことは、私にとって非常に新しい経験でした。医療関係者を中心とした方々、当事者の方々、また心理学や障害者運動の研究者とともに、これほど考えさせられる場に参加でき、対話の場が持てたことに感謝しています(特に、私の話を、肥満症の治療をされている医療者と並べて同じシンポで話すことができるなんて、ほとんど起こり得ないことだと今まで思っていました)。ある程度の拒絶や批判がくることを予想していましたので、これほどまでに理解していただいているのが正直怖いぐらいです(!)。杉本先生から頂いた私の発表への感想も読ませていただきました。ありがとうございます。

文化人類学者としてアメリカで調査をしている間は、もちろん私も最初は驚きと拒絶の連続でした。しかし運動の参加者の話を聞いているうちに、太っていることが、働くことや食べること、恋愛することに与えるネガティブな影響は大きいのだと知りました。侮蔑的な言葉を投げかけられた人、人に見られることが嫌だと言う人、食べ物に気を使い過ぎて拒食症気味になってしまった人などなど、辛い経験をしている人がいることは、調査で会って話を聞くまであまり理解できませんでした。同時に、そうした人たちが集まって、声を上げることの強さ(その間には考えの違いや確執もたくさんあります)も知りました。

そして、(もちろん私はファット・アクセプタンス運動と完全に同じ考えを持っているわけではありませんが)かれらの考えを学んだことで、社会のさまざまなところに広がる、肥満や食べることについての、道徳的な言説や自己責任論に目が向くようになりました。例えば、肥満は多岐にわたる立場の人が議論に関わっているし、「肥満エピデミック」の要因も非常に複雑に絡み合っていますが、なぜかアメリカの公衆衛生で肥満の解決法として最も推奨されるのは「Eat fresh fruits and vegetable」です。つまり、新鮮な果物と野菜を食べよう、そうすれば太らないと単純化されてしまいます。この解決法が自己責任論とスティグマを生み出すことはすぐわかります。加えて、アメリカでは階級や人種、ジェンダーの問題も絡みあっているので、そんなに簡単に食の選択ができるわけではない。最近では、栄養士なども加わって、こうしたことを「食の正義」の議論の中で批判的に捉えようとしている人たちもいます。

私は、体型で差別されてはならないし、誰であっても美味しいものを食べて、「健康」に生きる権利があるという考えを紹介しました。この考えに普遍性はあるのかもしれません。しかし、異なる歴史的・文化社会的背景の中で育まれてきたアメリカ固有の運動を日本にそのまま持ってくることはもちろんできません。自己責任の考え方が(おそらくアメリカより)浸透していて、また他の人と同じであることを求められる日本では、太っていることや大きな体型へのスティグマもまた違った形で現れ出ていると思います。また、オーディエンスの方からでた大事な質問によって気がつきましたが、ファット・アクセプタンス運動は肥満を疾患としてとらえているわけではなく、かれらのメッセージは「人々」に向けたものです。杉本先生がおっしゃるように、公衆衛生の「人々」に対するアプローチと医療の「病気」に対するアプローチという考え方は、まさにそうかもしれません。斎木先生がおっしゃったように生物学的な違いは大きいと思いますし、環境の違いもある。肥満が病気だと認められないことで辛い思いをしている肥満症の方々がいること、そういう方々への医療的な介入が必要なことも十分に理解できます。

こうしたことがまさに表していると思いますが、それぞれの立場や現場で「肥満」や「健康」の捉え方は違うから、一つの立場に収束することはできないし、してはいけないのだと改めて感じました。大事なのは、立場の違う人たちが集まり、議論に開かれていることだと思います。共通のテーブルにつく機会が持てたことに感謝しています。本当にありがとうございました。

当日、使用したスライドは以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/1vF1JokR-Zyo6uRJ6XUf_2KYLj3GSGR4N/view?usp=sharing

肥満診療の最前線の医師の立場から(齋木厚人さん)

この度は素晴らしい企画に参加させていただきありがとうございました。1型・2型糖尿病にしても、肥満症にしても、不平等に訪れる運命を受け入れ、インスリンを開始したり、行動の変化を求められる疾患だという事実からは逃れられません。体重や血糖値は客観的な数字に過ぎず、高いか低いかであってそこに良いも悪いもないのですが、でも患者さんには頑張ってもらわなければならない。私がお話した肥満症は非常に怖い病気です。ゆっくりと進行する癌とも例えられますし、その影響は多臓器、心理社会面に及びます。
一方で、肥満に対する社会(医療現場を含む)の過剰な自己責任論は、当事者を自己スティグマに陥れ、そして疾患や治療に向き合いにくくします。ここ数年、学会でもスティグマへの注目度が高まっているところでしたが、碇さんがアメリカで実際に体験された「ファット・アクセプタンス運動」のお話は、タイムリーで目から鱗が落ちました。医学の進歩という正義のもと、声にならない声をかき消さないで、との警告のように感じました。私の話と真逆ではないかとのご意見もありましたが、私はけっしてそうではないと思います。
確かに、アメリカのような肥満大国では、肥満の方が長生きする(obesity paradox)という意見もあり、健康な肥満(metabolically healthy obesity: MHO)なる定義もございます。私自身も、「良性肥満」という新しい概念を提唱し、皮下脂肪細胞に由来する動脈硬化抑制因子を研究している最中でして、治療の対象となる「肥満症」とそうでないものをしっかり区別すべきという立場をとっています。一方で、心配な点も2点ございました。まず、肥満を本人の都合の良い解釈で肯定されてしまうと、本来は治療が必要なのにその機会を失い、結果として本人や社会に不利益が生じてしまいかねない点です。これは、実際の臨床現場でも非常に問題となっています。もう一つは、「肥満症が病いとして認められない」というスティグマも存在し、それに苦しんでいる方も多いということです。わが国で外科治療や薬物治療が思うように発展しないのもこの種のスティグマに責任があります。スティグマのような問題は、一方向から議論されてはいけないのだろうと思います。本企画が素晴らしかったのは多分野の方々と議論ができたことです。矛盾や相違(に見えるところ)をどう折り合いをつけていくか、私自身も新しい発見がありました。

今回、4名の当事者からお話がありました。自分が話す時より緊張して聞いておりました。事前打ち合わせの時に、複数の方が「結局は自分が強くないといけない」とおっしゃられていたのが印象的でした。自己スティグマというのは、ある意味、他者との衝突を回避するための防御機構でもあるような気がします。ですので、無意識の自己スティグマを自覚し、自身や社会に向き合うというのは、あえていばらの道を進んでいるようなものかもしれません。世の中すべての人が糖尿病や肥満症に関心を持っているわけではないので、無理解や無関心にいちいち傷ついても仕方がない。でも医療や社会の制度は不平等でいいはずがありません。当事者の皆様の生き様を心より応援するともに、今回参加した方々の心は共にあるということをお伝えしたいです。
以上、医療者というマイノリティからの感想でございました。本会の発展を心より願っております。

(発表スライドは、患者個人を特定できる可能性がある、あるいは未発表のデータが含まれるため、誠に恐れ入りますが掲載なしでよろしくお願いいたします。)

障害者文化研究者の立場から(荒井裕樹さん)

土曜日のシンポジウム、貴重な機会を頂戴致しました。様々な領域・立場の方々がこうして自身の立場・事情・専門性に基づいて語っているのに、それぞれの言葉の中に「ああ、それはとてもよく分かる!」と響くところがあり、とても、とても、感動しました。
私は「障害者運動」の概論めいたお話をさせていただきました。もう少し個別具体的な話をしても良かったかな…と思うところもありますが、自分なりに「反スティグマのアクションを続けていく上で大事なこと」は、その一部はお話しできたのではないか(できていたら良いな)という気持ちで居ります。今回シンポジウムに参加させていただき、特に「セルフ・スティグマ」のことは、私ももう一回考えねば…という思いを新にしました。実はいま、ハンセン病を患った小説家・北條民雄について単行本を書いています(北條は私の博士論文の中心的なテーマでした)。北條に限らず、ハンセン病の患者はまさに「セルフ・スティグマ」に悩まされ続けました。感染症法の前文にもハンセン病隔離政策への反省が記されていますが、病気と社会の関係から、一人一人の病者の個々の体験を丁寧に読み解いていく必要があると思っています。と、私は「人文学者の一人」としてずっとそう考えてきたつもりですが、今回のシンポジウムに参加して、現場の医師の方々の中にも、まさにそうした思いで一人一人と向き合っておられ、そして病気の当事者からもその「一人一人の肉声」を聞かせていただき、感動した次第です。
すみません、思わず長くなってしまいましたが、今後の自身の研究のエネルギーにも、羅針盤にもなるような、貴重な経験をさせていただきました。

当日、使用したスライドは以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/1QJ9d1EHXl-6is6Gjpqh2gt9QOD-E-tTQ/view?usp=sharing

ランチョンセミナー StigmaとAdvocacyを考える:欧州糖尿病学会参加レポート(小谷紀子さん)

シンポジウムを終えての感想
糖尿病のスティグマとアドボカシーについて、私はこれまで、糖尿病に携わる医療関係者と患者さん中心の場でしか議論を交わしたことがありませんでした。今回は心理学、社会学、臨床心理学のご専門の立場から、そして、肥満の臨床とFat acceptance、障害者差別開放に取り組まれているご専門の立場から、深く掘り下げたお話を伺うことができました。そして糖尿病をもって暮らしている3名の方のお話は、個々に抱えるものは異なっていること、これに対して医療者が取り組まなければならないことをしっかり示してくださりました。私はいち臨床医として、多面的な疾患へのアプローチについて、今後もこのような場を通して理解を深め、独りよがりになることなく、糖尿病とともに暮らす一人一人の方々の身体と心の健康を守ることができるように、努めていきたいと身が引き締まる思いでした。
参加させていただいたこと、心より感謝申し上げます。

当日、使用したスライドは以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/17_9G-8qUxUncdIexHQSTtG0XhWrxORU2/view?usp=sharing

■第2部:当事者パート

司会:東海林 渉さん(東北学院大学教養学部人間科学科臨床心理学)

1型糖尿病当事者の立場から:酒井崇明さん

今回のシンポジウムで、当事者としてお話しさせていただくにあたり、もっとも悩み、もっとも考えたのが、アノニマス(匿名)で語るのではなく、実名で発表するべきではないか、ということでした。
 スティグマのない社会を目指すなら、アノニマスの仮面を外すべきではないのか。

 パネリストの方々にその意図を汲んでいただき、私よりもはるかに伝わりやすい表現で言語化してもいただけましたことは、私にとってはもちろん、多くの糖尿病患者さんにとっても、大変意義深いことであったのではないかと思います。
 今回私は、結婚・就職・住宅ローンにおける団信の審査といったライフイベントにおいて、1型糖尿病の当事者である私が、社会的スティグマとどう向き合ってきたかについてを中心に、お話しさせていただきました。
 大変残念なことではありますが、糖尿病患者は、そうした人生における重大な局面でほど、社会的スティグマに起因する、個人の努力だけでは決して乗り越えることができない困難に直面させられたりすることがあります。
 そうした困難にどう立ち向かえば良いか、一人の糖尿病患者の体験を話したに過ぎませんが、当事者の皆様のご参考になりましたら幸いです。
 このたびは、当事者としてお話しさせていただくという貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。

私自身の自己紹介、講演原稿メモの全文は以下のリンクからご覧頂けたら幸いです。

https://drive.google.com/file/d/12yzTPuWHc50da28McwNQPQGUDsBzbAaO/view?usp=sharing

2型糖尿病当事者の立場から:秋元健一さん

今回は登壇の機会をいただきありがとうございました。 あらためて自分の病歴や思いを語ることで、気づくことが多くありました。 普段生活をしている中で、DM患者であると意識することはあまりなく、世の中にこれだけの仲間 や理解者がいるということだけでも心強い経験でした。 当事者としてできることはそれほど多くないかもしれませんが、今後は自分のコントロールと向き合うことを続けるだけでなく、当事者同士のネットワークを作るなど、自分のできることを考えていきたいと思います。

当日のスライドは以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/1Jx6kooXpkKIghm5i_c1syPkEliOmeOz4/view?usp=sharing

1型当事者、病いの語りの専門家の立場から:香川由美さん

この度はシンポジウムでの発表の機会をいただき誠にありがとうございました。
 社会心理学、文化人類学、医学、病者・障害者文化論、そして当事者の体験などさまざまな領域の視点からの講演を聞かせていただいて、世界がより立体的に見えてくるような感覚になりました。これまで糖尿病に限らず社会的スティグマを知覚してきた人たちが、どのようなことを考え、どのようなことに取り組んできたのか。その背景にある時代の流れや地域性や価値観がどのように人々の心理や行動に影響を与えていたのか。スティグマについて考えるときに何となく感じていた捉えどころのない感覚を言語化していただいた興味深さや、一つ一つ丁寧に紐解いていただいたことで理解できた納得感がありました。
 今回、私は、1型糖尿病の当事者の立場から「スティグマとの向き合い方」というテーマで発表させていただくにあたって、大切にしたかったことが三つありました。一つは、患者一人一人が異なる経験をしていることを認識し、何かに対して一概に善悪のラベルを付けないようにすること。もう一つは、一人一人がどのようにスティグマに抗うにしても、まずは自分に対する自己理解が大事ではないかという思いを分かち合うこと。そして、スティグマへの抗い方は人それぞれであるという余白を残すことでした。一人一人が社会に対してどのような行動を起こすにしても、自分で自分をいじめる発想を止めないと、苦しみから自分を救ってあげることはできないと考えたからです。
私自身の1型糖尿病患者としての体験と、患者のストーリーテリングの研究からお伝え出来ることは何か。何度も自問自答して、今回の発表をさせていただきました。そして、シンポジウムを通して新たな問いが生まれ、ずっと考えが巡っています。
シンポジウムで皆さまから聞かせていただいたお話に、これからも前に進む勇気と元気、そして、思うように前に進めなくてもいいじゃないかと自分を可愛がるヒントをいただきました。誠にありがとうございました。

当日使用したスライドは以下のリンクからご確認ください。

https://drive.google.com/file/d/11LGI5tkWYF0HH0iReaq_LUdOenAK4Wbn/view?usp=sharing

■総合討論

司会:鈴木智之さん(法政大学社会学部)

■シンポジウム参加者の感想

第2部司会者:東海林 渉さん(東北学院大学教養学部人間科学科臨床心理学)

前回・今回と、SSB45のシンポジウムに参加させていただいて大変勉強になりました。何より具体的な道筋が見えてきたような感覚があったのが発見でした。シンポジウムはとても学際的で実りの多いものでした。第一部のご発表はさることながら、第二部の三名のご発表が素晴らしく充実していました。
匿名性(アノニマス)に言及されたくだりには、重要なスティグマの問題が潜んでいました。名前を出すということは、忌避や非難の対象になる危険をおかすことですから、とても勇気のいることだったと思います。名前を出して話してくれた三名に、心から感謝と敬意を表したいです。ありがとうございました。我々は当たり前のように名前を出して話せる社会を望んでいるわけで、その意味でも匿名性のない語りは非常に重要な社会的発言だと思います。これを続けて積み重ねていくことが必要なのだろうと思いました。
三名のお話に出てきた話題の数々。住宅ローンと団体信用生命保険、カフェ併設の糖尿病住宅、将来的なソーシャルアクション、美味しそうなパニーニ、美味しそうな機内食、楽しそうな旅行の話、コンビニ弁当の食品成分表が裏に貼られている問題、開示と非開示、抹茶フラペチーノとミネラルウォーター、あなたは悪くない・弱くないという医療者の言葉、語ることとピアサポート。どれも重みがありました。その全てに、人を含む社会との接点があったことが印象深かったです。僕らのセルフ・スティグマと傷つきは、きっと社会文化的に形成され、社会文化的な交流(人や情報との接点)によって癒されていくのではないか。そんなことを考えました。この社会に、傷ついてしまう/傷つけてしまう仕組みが存在するのなら、その仕組みそのものを改善したり変容させたりしていくことが必要でしょう。そしてそれと同時に、傷を癒やし、回復させるシステムも必要です。三名の語りには同じ病気を持つ僕を元気にさせる力がありました。聞くだけで元気になれるというのは不思議です。きっと、三名の話の中には苦しい中で見つけた希望が詰まっていたから、僕も自分の人生を重ねて希望を見られたのだと思います。
ひとりひとりが隠れず隠さず恐れずに、安心して自分のことを語れること。そしてその話を聞けること。糖尿病を有する人々には、それがやはり必要なのだろうと思いました。

その他、匿名でいただいた沢山の感想は次のチャットログの後に【参加者からいただいた感想】としてご紹介しています。

■シンポジウム開催中のチャットログ

コメントを太字、質問を赤字で示しております。
09:40:58 開始 Wataru Shoji から 全員:
杉本先生、本日はよろしくお願いします!

09:42:18 開始 【ランチョン】小谷紀子 から 全員:
杉本先生、皆様、本日はお話うかがえることとても楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。小谷紀子

09:42:38 開始 【第2部】香川由美 から 全員:
Reacted to “杉本先生、本日はよろしくお願いします!” with 👏

09:42:42 開始 【第2部】香川由美 から 全員:
Reacted to “杉本先生、皆様、本日はお話うかがえること…” with 👏

09:43:32 開始 【第2部】香川由美 から 全員:
杉本先生、皆さま、今日はどうぞよろしくお願いいたします!

09:44:20 開始 【ランチョン】小谷紀子 から 全員:
Reacted to “杉本先生、皆さま、今日はどうぞよろしくお…” with 😊

09:44:25 開始 【第1部】荒井 裕樹 から 全員:
第一部に参加します、荒井裕樹です。おはようございます。今日は何卒宜しくお願い致します。

09:44:40 開始 【第2部】香川由美 から 全員:
Reacted to “第一部に参加します、荒井裕樹です。おはよ…” with 👏

09:45:21 開始 東海林 渉 から 全員:
Reacted to “杉本先生、皆さま、今日はどうぞよろしくお…” with 😊

09:45:22 開始 東海林 渉 から 全員:
Reacted to “第一部に参加します、荒井裕樹です。おはよ…” with 👏

09:45:24 開始 東海林 渉 から 全員:
Reacted to “杉本先生、皆様、本日はお話うかがえること…” with 👏

09:46:57 開始 【第2部】酒井 崇明 から 全員:
おはようございます。酒井崇明です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

09:50:08 開始 【第2部】香川由美 から 全員:
Reacted to “おはようございます。酒井崇明です。本日は…” with 👏

09:50:21 開始 東海林 渉 から 全員:
Reacted to “おはようございます。酒井崇明です。本日は…” with 👏

09:55:05 開始 【ランチョン】小谷紀子 から 全員:
Reacted to “おはようございます。酒井崇明です。本日は…” with 👏

10:33:53 開始 利夫 若山 から 全員:
感情が生まれる原因として六感があるのではないでしょうか。

10:48:39 開始 利夫 若山 から 全員:
ありがとうございました。東京で行われていますが、地方で行うとまた違った結果になるのでは・・・

10:48:43 開始 章博 冨士原 から 全員:
行動免疫システムは、進化の過程で生存のために獲得した本能的な機能だということがわかりました。これは、いわゆるアンコンシャス・バイアスの背景にある脳の機能という理解であっていますでしょうか。

10:51:07 開始 Shigeo Yamashita から 全員:
行動免疫システムが本能的な機能であるとすると、それは避けがたいものなのでしょうか?理性や知性により打破することは可能なのでしょうか。

10:52:06 開始 Yoko Setoyama から 全員:
大変勉強になりました。ステレオタイプの払拭には、当事者の人の体験・語りをじっくり聞く、その人に会う、同じコミュニティで生活する…というのも、重要なのではないかと思いました。

10:53:10 開始 Rika Sakuma SATO から 全員:
英国、デンマーク、スウェーデンで行われた肺がん患者へのインタビューの比較研究で、英国の患者はほとんどの人が非構造化インタビューの初めのほうで喫煙習慣について言及したのに対し、他の2か国の人は喫煙習慣に最後まで言及しないでインタビューを終えた人がそれぞれ25%、40%いたという研究があります。肺がんと喫煙習慣の間に因果関係があることはいずれの国でも知られていることなのに、どうしてこんなに違うのか非常に不思議です。英国の肺がん患者は他の2国に比べ発見時に進行がんになっている割合が高いということで、こうしたスティグマの存在が転帰にも影響しているということです。
https://bmjopen.bmj.com/content/bmjopen/8/11/e023934.full.pdf
つまり、行動免疫システムがどのように作動するかは文化的な違いがあるということではないかと思います。

10:55:14 開始 【司会】東海林 渉 から 全員:
KHcoderの研究はとても面白いですね。私も異なるアプローチでしたが、宮城県の大学生で糖尿病のイメージを聞いたことがありますがその際にもネガティブな単語の出現が多かったです。政治と教育の貢献について、もっと知りたいなと思いました。ありがとうございました。

10:59:29 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
冨士原様,行動免疫システムから出てくる偏見は,お考えの通り,アンコンシャス・バイアスにあたります。アンコンシャスバイアスの教育は大学入学時に行われるところも出てきました。

11:03:11 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
Yamashita 様,本能的な機能には抗いがたいです;; 打破は難しく,また,処理スピードは遅いのですがそれを意識的にコントロールできると考えています。ただし,それを行う前には自動的に処理される情報がどのようなものであるか,自分の性質を知る必要があります。

11:04:23 開始 章博 冨士原 から 全員:
大江先生、教えていただきありがとうございます。理解が深まりました。脳の機能は変えることは極めて困難ですが、そういう働きがあることを自覚し、スティグマを助長しない振る舞いや行動を選択することはできる、そのような教育が社会に浸透していくとよいなと考えております。個人的にもそのような取り組みに貢献したいと思っています。

11:05:34 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
Setoyama様,「当事者の人の体験・語りをじっくり聞く、その人に会う、同じコミュニティで生活する」といった接触は,偏見の解消には非常に重視されています。
実際に良好な接触は効果があるとされています。

11:15:00 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
Sakuma SATO 様,確かに書き込みを拝見すると,イギリスでは因果関係の意識と危機感が強そうですね。
行動免疫システムには,事前にどのような危険かという知識も必要ですので,お考えの通り文化的な違いが出てくるものと思います。

11:21:14 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
Reacted to “大江先生、教えていただきありがとうござい…” with 👍

11:21:30 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
Reacted to “KHcoderの研究はとても面白いですね…” with 👍

11:25:27 開始 Yoko Setoyama から 全員:
Reacted to “Setoyama様,「当事者の人の体験・…” with 👍

11:27:27 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
若山様,「六感」は,嫌悪などとは特に内臓感覚として知られているものかと思います。嫌悪に関連する強い要素だと思います。

11:28:55 開始 【第1部】大江 朋子 から 全員:
若山様,東京の大学2校のみの調査となりましたが,機会があれば,サンプルを広げて実施してみたいと思っています!

11:36:19 開始 利夫 若山 から 全員:
肥満の原因として遺伝子との関係はないのでしょうか。

11:58:41 開始 Rika Sakuma SATO から 全員:
fat acceptance activist の人たちは「太りたくて太っている人はいない」と思っているのでしょうか? Fat prideという言葉もあるようですが… 医学的な観点からのアプローチと社会学・人類学的なアプローチの違いを感じました

11:59:22 開始 Rika Sakuma SATO から 全員:
おそらく「太っている」のレベルが違うのでしょうが。

12:02:33 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
明らかになっていない部分も多いですが、肥満と遺伝の関係はあると思います。小児から肥満の方は、成人発症の方よりより高度な肥満であったり、

12:02:57 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
治療後のリバウンドが大きかったりなど、明らかにされています。

12:08:15 開始 【司会】東海林 渉 から 全員:
齋木先生のチームが冒頭でお話しされていた「責めない」という点が印象深かったです。調理師の方の事例でも、とても大切になったのではないかと思いました。医療現場にいると、肥満を治療するとなった場合に、どうしても肥満を悪しきものとして扱ってしまう雰囲気が出てしまう(こちらが思っていなくても患者さんがそれを感じ取ってしまう)ことが多いように思います。肥満症とされた人に対して、あなたは悪くないと言いつつ、あなたが変わることを支持するという関わりを、二重メッセージ(ダブルバインド)に陥らずに伝え続けるのは難しいと思いました。その意味でも齋木先生たちの臨床における具体的な関わり方やバランス感覚をもっと勉強したいと思いました(体重計に乗ったときの声がけなど)。

12:10:32 開始 松本しのぶ から 全員:
斎木先生、大変勉強になるお話ありがとうございました。質問ですが①減量が難しい方は精神疾患の合併が多いということでしたが、逆に減量に成功される方の特徴が分かっていれば教えてください。②内科的治療では糖尿病合併症の進行が抑えられなかったということですが、外科的治療をされた方の合併症の進行抑制効果について報告がありましたらご教授お願い致します。

12:14:47 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
タイプが早くないので、簡潔にお返事いたします(あとの総合討論で口頭でお話しできればと思います)。Fat acceptance activist の人たちの「太りたくて太っている人はいない」の矛盾はおっしゃる通りだと思います

12:16:34 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
高度肥満がマイノリティの日本とアメリカでは違いはあると思いますが、でも本質的には好き好んで(不健康な)肥満になろうとは思っていないだろうというのが基本的な考えです。

12:16:48 開始 利夫 若山 から 全員:
「障害者差別解消法」・・・日本という国の人権に対する認識の乏しい国の法律のように感じます。知識人や権力者がもっと人権について学ぶ必要があるのではと思います。

12:17:54 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
「責めない」「ダブルバインド」などの貴重なご意見、ありがとうございます。私たちが気付いていないようなことを言語化してくださってありがとうございます。励みになります。

12:24:31 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
①減量が難しい方は精神疾患の合併が多いということでしたが、逆に減量に成功される方の特徴が分かっていれば教えてください。どうもありがとうございます。「成功」の定義が難しいのですが、実は体重減少不良と、逆に良好すぎる方々は、メンタルヘルスの比率が高率にリバウンドします)。変な言い方ですが、ウサギと亀のような感じで、ちょうどいいペースで減る方の方が、精神的に安定していて、長期成績がよいです。あと、サポートする家族がいるかどうかも重要です②内科的治療では糖尿病合併症の進行が抑えられなかったということですが、外科的治療をされた方の合併症の進行抑制効果について報告。海外を中心にかなり良いデータが出ています。寿命の延長、心血管疾患やがんの抑制、糖尿病の改善や発症の抑制、などなど多数です。ただし、自殺率が増えるなどの懸念すべきデータもあります

12:24:58 開始 利夫 若山 から 全員:
言葉の細分化が必要なのでしょうか?法律を作るためだけならあまり意味がないのでは?もっと根本的な論議が必要に思うのですが。

12:30:06 開始 【第1部】 齋木 厚人 から 全員:
先ほどの文章が変になってしまっていました。・・・「成功」の定義が難しいのですが、実は体重減少不良と、逆に良好すぎる方々は、メンタルヘルスの比率が高く、後者では高率にリバウンドします)。・・・が正しいです・・・

12:34:18 開始 配信確認PC から 全員:
第一部で退席される方のみ、こちらのURLよりアンケートへのご回答をお願いいたします。 https://forms.gle/GWiFMt2vseay9fLd8
12:39:41 開始 【司会】杉本 正毅 から 全員:
東海林さん

ベイトソンのダブルバインド理論を肥満症治療に応用したご意見、とても参考になりました。確かに、それは「ある」と思いますね。頑張ろうね

12:39:51 開始 利夫 若山 から 全員:
専門家と呼ばれる方たちの言葉は、決して一般の民衆にわかりやすくないと思います。それをわかりやすくすることは非常に大事だと思います。そうでないと民衆と乖離したところで専門家だけが論議することにならないでしょうか。

12:41:53 開始 【司会】杉本 正毅 から 全員:
東海林さん、途中で切れました。支援している姿勢を示しながら、内心obesity stigma or 過体重忌避の思いを抱いていることはきっとアウトカムに大きく影響すると思います

12:46:59 開始 【第1部】碇 陽子 から 全員:
Replying to “fat acceptance active…”

後でお話ししようと思っていたのですが、ファット・アクセプタンス運動の人たちの中にも太りたくて太っている人はいないと思っている人は多いとは思いますが、それよりも医学と私の発表の違いは、医学と公衆衛生を対象としていることから生じる矛盾かもしれません。肥満を疾患としてとらえているわけではなく、運動のメッセージは公衆に向けたものです。

12:54:47 開始 Rika Sakuma SATO から 全員:
本当に様々な観点からのお話を伺うことが出来、いずれも深く深くうなずくことの多い議論で、実に素晴らしいシンポジウムです。この後しばらく席を外さざるを得ないのですが、かならずオンデマンドで拝見したいと思います。大江様、碇様、斎木様、チャットへのお返事ありがとうございました

13:06:00 開始 利夫 若山 から 全員:
診察室に二人の専門家!その通りですね。1%と99%すごく納得します

13:16:01 開始 【ランチョン】小谷紀子 から 全員:
EASDでは多くのディスカッションの中で、素敵な言葉をたくさん聞くことができました。これからも皆さんといろいろお話をしていきたいです。

13:16:52 開始 【第2部】香川由美 から 全員:
Reacted to “EASDでは多くのディスカッションの中で…” with 🧡
13:17:34 開始 利夫 若山 から 全員:
Reacted to “EASDでは多くのディスカッションの中で…” with ❤️

13:17:35 開始 利夫 若山 に 全員:
Reacted to “EASDでは多くのディスカッションの中で…” with ❤️

13:35:54 開始 利夫 若山 に 全員:
酒井さん素晴らしい取り組みですね。おじいさんから一言。二階以上の建物を立てるときはエレベーターが必須です

13:47:09 開始 【第2部】酒井 崇明 に 全員:
当事者パネリストの酒井です。
先ほどはご清聴いただきましてありがとうございました。

ツイッター
https://twitter.com/home
ブログ
https://ameblo.jp/sakazo/

になります。
ブログ内に住宅ローンの記事へのリンクも貼っています。
糖尿病患者の皆さま、1型糖尿病当事者としての個人での経験ではありますが、ぜひ参考になさってください。

13:47:32 開始 【第2部】酒井 崇明 に 全員:
Reacted to “酒井さん素晴らしい取り組みですね。おじい…” with 👍

13:54:24 開始 【第2部】酒井 崇明 に 全員:
IDDM Caffeさんのサイトは以下になります。
参考になさって下さい。

IDDM Caffe【公式】
インスリン注射の必要な方が過ごしやすいカフェ
https://sites.google.com/view/iddm-caffe/

14:30:38 開始 利夫 若山 に 全員:
糖尿病を持つ人が血糖コントロールをすること。非常に難しいことだと思います。糖尿病がない人はオートマチックにコントロールできます。しかし、それを自分を手伝っていかないといけない。すごく難しいことです。今のようにリアルタイム?で血糖値を測れるようになってもです

14:31:32 開始 美香 上岡 に 全員:
1型47年、今の主治医に生きてる化石って言われて、娘と一緒に笑ったけど、47年前は10年先も考えてはいけない、と思っていたのに。今ある命本当に沢山の方から元気と勇気を貰ったから今がある。と。沢山やりたいことやってきた。これからもやって行く。今は孫の顔見たいと思うのと、2年前亡くなった母に産んでくれてありがとうと言えた事、そして最後の時を迎えるとき、良い人生だったと思いたいから、これからも自分を信じて、やりたい事やって行く。今までも、そしてこれからも。香川さんありがとうございます

14:33:08 開始 【第2部】香川由美 に 全員:
Reacted to “1型47年、今の主治医に生きてる化石って…” with 👏

14:33:44 開始 Yoko Setoyama に 全員:
Reacted to “1型47年、今の主治医に生きてる化石って…” with 👏

14:34:00 開始 【司会】東海林渉 に 全員:
Reacted to “1型47年、今の主治医に生きてる化石って…” with 👏

14:34:27 開始 【司会】東海林渉 に 全員:
Reacted to “糖尿病を持つ人が血糖コントロールをするこ…” with 😌

15:02:54 開始 利夫 若山 に 全員:
東海林さんが言うように健康について考える機会になるといいですね。

15:03:18 開始 美香 上岡 に 全員:
Reacted to “東海林さんが言うように健康について考える…” with 👏

15:06:09 開始 Shigeo Yamashita に 全員:
「生活習慣病」という言葉を葬り去ることは可能でしょうか。そのためには、何が必要でしょうか。教育、啓蒙は必要ですが、それだけで達成できることには限界があるように思います。私自身は、政策上の位置づけを改めさせていくようなムーブメントが重要ではないかと考えています。

15:10:13 開始 【ランチョン】小谷紀子 に 全員:
Reacted to “「生活習慣病」という言葉を葬り去ることは…” with 👍

15:23:13 開始 配信確認PC に 全員:
本日はありがとうございました。参加後アンケートURLになります。ご協力お願いいたします。 https://forms.gle/GXsnoQqeitVskRoS6

■参加者からいただいた感想

・ 今回は大江先生のお話を拝聴し、行動免疫システムという考えが印象深かったです。糖尿病については、感染症などとは違って2種類の回避が働いていると感じました。1つ目は糖尿病になりたくない、という回避。2つ目は糖尿病をもつ人(2型)は行動免疫システムが作動しなかった人=自己管理ができない人とレッテルを貼られて偏見を持たれたり差別される、という回避です。前者は適度に働けば糖尿病の発症や進行予防に効果もありますが、後者はただただ社会的スティグマとなって当事者を傷つけてしまうものだと思います。これを無くすためには、社会全体が「スティグマ」(生活習慣病に関わらず)に対する知識と理解を深める必要があると思いますので、医療の現場だけでなく、子供の教育の現場から取り組んでいく必要があると思いました。

・ 本日は貴重な機会に参加させて頂きまして、ありがとうございました。

・ 社会を変える取り組みと同時に、スティグマに触れても大丈夫なように自己肯定感を高める取り組みも必要だと思いました。

・ 本日は参加させていただき、ありがとうございました。勉強になっただけでなく、糖尿病と向き合う方のことを改めて知る機会となり、スティグマに傷つかれた痛みを想像し、改めてスティグマのない社会の実現に自分も貢献したいと強く共感しました。

・ 素晴らしいシンポジウムでした。わたしは糖尿病治療薬を開発・販売する製薬企業に属しています。当事者・専門家の方々が、製薬会社に期待することがあれば、ぜひ教えてほしいと思いました。もし次回があればですが、ZOOMの設定についてご意見させてください。入室時にビデオがオンにならないよう予め設定頂くとよいと思いました。

・ 今年も大変興味深く拝聴しました。さまざまな専門性のパネリストの発言から学びが大きくありました。健康とは?医療とは?ということを改めて考えさせられ、糖尿病のスティグマがテーマでしたが、最後にまとめてくださったように私たちの社会が自律や自己管理という価値を重んじていることにより多様なスティグマが生まれていること、セルフスティグマについても振り返ることができました。本当にありがとうございました。

・ 多様な立場の方が参加してそれぞれの思いを語られたが、糖尿病の人の生きづらさをなくしたいという点では全員が思いを共有していることを強く感じ、このような場をオーガナイズされた杉本先生に尊敬の念を禁じ得ません。本当にありがとうございました。

・ 他分野の方のお話を聞くことが出来て良かった。分野は違えども、恐らく向かっている方向は同じだと感じた。医療者であろうが患者であろうが健常者であろうが障碍者であろうが、みなが等しく相手と自分にラベリングし思考を固定化せず、思い込みを外すことが重要だと。その為には個々の分野での活動も必要だが、子供の頃からの「見方」の教育が大切で、それが行われると知らないものに対峙しても(例えば糖尿病を知らなくても)スティグマが起こりにくい社会になるのではないかと思いました。

・ 過去に、痴ほう症が差別的用語として、認知症に変わりましたが、名称が変わったことにより、認知症とはどのようなものなのかと知られる機会が増えたと思います。糖尿病も一区切りに糖尿病=生活習慣病とされており、スティグマを感じるとは多々あります。名称を変えたからと言って、糖尿病がどのようなものなのかを社会に理解されなければ、社会から受けるものは変わらないのではないかと思います。糖尿病のとはどのようなものなのか、社会に知ってもらえる機会が増えると良いと思いました。

・ “スティグマ”に関する意見を、多面的に聴講させていただくことができ、大変、勉強になりました。ありがとうございました。・ とても充実した内容でした。

・ さまざまな分野からのお話が聴けて、大変興味深く、勉強になりました。スティグマのない社会を実現するために自分が出来る事を改めて考えたいと思います。ありがとうございました!

医療関係ではないけれど福祉関係者として人の心身の健康に関わり、支援していきたいこと、社会に再生産されていくディスコースに抵抗できるようにしていきたい 私もこれから前に出ていきたいと思いました。

・ 非常に勉強になり有意義な時間を共有させて頂きまして,誠に有難うございました。今後もシンポジウム等がありましたら参加させて頂きたいと思います。この度は誠に有難うございました。そしてお疲れ様でした。

・ おもしろいシンポジウムを企画していただいてありがとうございました。多角的な思考ができました。今後のご活動も楽しみにしています。

・ 社会学、文化人類学の観点からの分析にい大いに関心を持った。 スティグマに関心の高い人がこれだけ多くいるのだと実感しました。当事者が声をあげること、糖尿病や肥満に関して、正確な情報を広めていく活動が必要だと感じた。 いわゆる専門家と称する方々の中にも言葉の端々に差別的な言葉を含むような事かあるように思う。人のふり見て…であろう。

・ 自然科学と人文科学、両方の分野の登壇者のスピーチを聞けたことが良かったです。スティグマの無い社会を目指すにあたりどうすればよいかは答えのない問いですが、向き合うためにはバランス感覚が必要だということを改めて感じました。

・ スティグマという言葉にまだ馴染みがなく、自分の腑に落ちません。が、各方面での取り組みを聞いて少しスティグマが立体的になったような気がします。ありがとうございました。

・ 非常に多様な方からお話を伺えて大変勉強になりました。その一方で、スティグマの話なのか、「生活習慣病」の話なのか、「肥満」の話なのか、「糖尿病」の話なのか・・・、切り口が多様で論点も多く、もう少し絞って頂けると理解しやすかったように思いました。

・ 自身の内なるスティグマという考えがある事を知り、ハッとしました。どのパネリストも、スティグマについて掘り下げて伝えられたので、理解が深まる機会となりました。錚々たるメンバーを揃えていただき、ありがとうございました。とても、充実した貴重な時間となりました。

・ 自身の内なるスティグマという考えがある事を知り、ハッとしました。どのパネリストも、スティグマについて掘り下げて伝えられたので、理解が深まる機会となりました。錚々たるメンバーを揃えていただき、ありがとうございました。とても、充実した貴重な時間となりました。

・ 今まで感じたことはあったけれど、しょうがないと諦めていたような感情を代弁してくれている、当事者に寄り添った企画だと感じました。次回もぜひ参加したいです。

・ 今回のシンポジウムを通して、一言でスティグマと言っても社会的なスティグマだけでなく当事者の中にもスティグマがあると言うことを認識しました。糖尿病の方がそう言ったスティグマを持たずに病気とストレスをかけずに向き合えるようになる働きかけをできるようにすべきだと今回のシンポジウムを通して認識変容いたしました。貴重な機会をありがとうございました。

・ 偏見や差別の問題を扱うにあたり、様々なフィールドから、また様々な立場の方々が持っている知恵を集めあって、考えてゆく機会はとても必要だと思うし、特に医療の影響が大きい領域ではしばしば難しいことでもあるので、今回の会は大変貴重な会だと感じた。このような会があること自体が一つのアクティヴィズムだと思うので、今後とも是非続けていただきたいし、応援している。

・ 医療者以外の領域の研究者や当事者の話が聞けてとても有意義でした。ただし、米国の理論や運動を直輸入するのは無理があり、人種差や文化差を考慮しながら日本にあった形で活動していくべきと感じました。

医療者以外の多様な領域の研究者や当事者の意見を聞けて有意義だった。ただし、欧米由来の理論や運動を直輸入するのは無理があるため、人種や文化の違いを考慮して日本に合った形でアドボカシーを進めるべきと思った。

・ いろいろなお話を聞くことができ勉強になりました、こんなにも大きな問題に対し自分に出来る事があるのか考えてしまいました。

シンポジウム開催前後で行ったアンケートの集計結果

■事前アンケート結果

事前に行ったアンケートは64人から回収することができました。
アンケートの全文は以下のリンクからご覧いただけます。
https://forms.gle/fnjdmv1rtCtmhkdn6


アンケート結果は以下のリンクからご確認下さい。

https://drive.google.com/file/d/1BQV-KVK8ALYOr8uiFJUnb7_3K_Nnot8F/view?usp=sharing

■参加後のアンケート結果

参加後のアンケートは40名の方から回収することができました。
アンケートの全文は以下のリンクからご覧頂けます。
https://forms.gle/JfYdNrxquiQpuxw87

アンケート結果は以下のリンクからご確認下さい。

https://drive.google.com/file/d/16rB78cllgnWk96Wq8UWcWWaXrU915YP1/view?usp=sharing

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